こんにちは。vita colorataのchimensokaです。
今回は、Makuakeで先行販売予定の新作、コンパクト ラウンドファスナー長財布「girotto(ジロット)」がどのように完成したのかご紹介します。
写真とともに、試作ごとの変更点をお見せしていきますので、制作の裏側を楽しんでいただければ幸いです。
まだプロジェクトページをご覧になっていない方はぜひこちらから!
この財布はなぜ生まれたのか。開発ストーリーは前回の記事でお話ししているので、そちらもぜひご覧ください。
ラウンドファスナーを小さくしたい!
試作1号(2025年1月)
ラウンドファスナーを小さくしようと形にした試作1号です。
床革という、本番にはあまり使われない革を使用して制作しました。
・財布を小さく
・財布が小さくても、できればお札は取り出しやすくしたい
・小銭も取りやすいほうがいい
「こういう構造にすれば再現できるかな?」と型紙を作っていきました。


サイズ感と頭の中で描いていた構造を型紙で再現できているかの確認のため、両面テープのみで仮止めを行いました。
8cm×16.5cmとお札とほぼ変わらない大きさで制作しました。
型紙は再現できていましたが、小さすぎてお札がはみ出てしまいました。
試作1号は失敗です。
試作2号(1月)


1号を試作してからすぐ2号を制作しました。サイズを9cm×17cmに変更。
1号は両面テープでの仮止めだったので、まったく気づいていませんでしたが、構造が複雑でした。
今見返してみると、どうやって完成させたんだろう…と自分でも首をかしげてしまうくらいです。(笑)
作業量の割には「お札が入れやすい」などのメリットを感じられませんでした。
サイズはちょうどよくなったものの、作りが複雑で使い勝手が悪い…
問題点だらけと気づけたのですが改善方法も浮かばず、やっぱり難しいよな…と一度諦めてしまいました。
「風琴マチ」に出会う
試作3号(4月)
もう理想のラウンドファスナーは作れないと思っていたのですが…
「風琴マチ」という構造を知り、改善の糸口を掴むことができました!

これを取り入れて作ったのが試作2号です。
これが作りたかったんだ!と感動しました。


2号までは小銭を取りやくするために小銭入れをL字にしていましたが、3号ではI字にしました。小銭入れを浅くするだけで小銭が取りやすくなりました。
お札入れは完璧です。理想の財布に近づけてくれる構造です。風琴マチ最高です!
試作4号(4月)


2、3号からサイズは変更せず、お札入れを片方をなくしてみました。
お札入れがなくなったことで、カードポケットが使いやすくなりました。
どんどん完成形に近づいています。
これで完成だ!
試作5号(4月)


試作4号が良かったので、5号では素材を本番仕様に変更して制作しました。
ひとつだけ、財布を大きく開いた時にお札がフニャっと曲がってしまうのが気になってしまいました。
理想の「小ささ」を優先するか、気になった「使い心地」を修正するか、ものすごく悩みました。
試作6号(4月)


「使い心地」を良くする方を選択しました。
横幅を6mm大きくし、9cm×17.6cmにしてみました。これによって、前回の気になっていた点が改善されました。
6号に気になる点はありませんでした。自分で使ってみて問題なければ、これでいこうと考えていました。
うれしい発見
最終 試作7号(6月)
6号が完成した時は、「これ以上小さくできない」と思ってたのですが、1ヶ月ほど使ってみると、「もう少し縦の幅を短くできるのでは…?」と気づいてしまいました。
嬉しい発見のはずなのに「また試作か…」と少し複雑な気持ちになりました(笑)
8.6cm×17.6cm、床革で制作しました。


なんと小さくできてしまいました!
4mmしか変わっていないはずですが、すごく小さく見えます!
使い心地も6号と変わらなかったので、こちらを採用することにしました。

こうして完成形にたどり着きました。
Makuakeで先行販売
小さいラウンドファスナーを作ろうと考えてから完成するまで半年かかってしまいました。
何度も失敗や試行錯誤を繰り返しましたが、そのひとつひとつが最終形につながる大切なステップでした。今の財布が生まれたのは、あの1号からの挑戦があったからこそだと思います。
2025年8月27日(水)の14時から完成形を先行販売いたします。
みなさんに手に取っていただける日を楽しみにしています。